初演、初日の『Murmullos del Paramo』/Teatro Espanol。

5/12 fri 初演初日を終えてホテルで銀塗りを落とす。quick silver ! テアトルのシャワーが工事中なのだ。ホテルまで歩いて5分、近いからよいが。この銀を洗い落とすのがもうワン・ステージなのだ。金粉ショー時代を思い出す。ショーが撥ねてもキャバレーにシャワーがない。先に近い銭湯をきいておき、古着をひっかけて走るのだ。(エロス・パンドラ3人組、カーマ・スートラ5人組。)番台の終了に間に合えば幸運、だめなら旅館の風呂で落とした。quick silverは金粉ショーへの回帰か。・・・
しかし、今夜の初演、初日の私の踊りは凄まじかった。金粉ショーへの回帰もそうだが、むしろパリでのミイラの初演、『Dernier Eden/最後の楽園』のステージを思い出す。思い出してばかりなのは・・・齢を重ねたせいで致し方あるまい。
死の哄笑、爆笑。死は私の途絶だ。私は私の途絶を笑うことは出来ない、私の死を私が笑えない、死が笑うのだ。死が私を笑うのだ。笑いとは、死。断絶であり、裂け目である。コミュニケーションの途絶えた・・・笑うほかに手のない超・コミュニケーションだ。気が触れたかのようにコントロールされた狂気を私は演じたのだろうか?死を演じるのは不可能だ。同様に笑いを演じるのも。しかし、私は「死んでみせて」「死に行く踊りを」と演出方から要請されていたのだった。
私の思いは、こういうことだ。初めから同じことだ。ずっと<如何に死ぬか、笑うか>しか踊って来なかった。なにも変わりはない・・・変わったのは私の齢だけ。しかし皺が増えたよ。死にそびれたそれが勲章のようなものだ。
初演の様子は余り書きたくない。いずれ誰かが書くだろう。